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Design Tools 第三フェーズ 第四回目

1.日時  平成22年2月3日(水)14:30〜21:00
2.場所  東京ミッドタウン5F インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
3.参加者 10名
4.プログラム
<1> 14:30〜17:00 「 場のプロセスデザインと創造的ワークショップ/富士ゼロックス株式会社 Knowledge Dynamics Initiative(KDI)」:
富士ゼロックス株式会社 Knowledge Dynamics Initiative(KDI) 荒井恭一氏 石間宏之氏 筧大日朗氏
<2> 17:10〜21:00「設計手法のデザイン応用(2)」:
株式会社アイデア TRIZ推進センター長 笠井肇氏

5.内容
<1>場のプロセスデザインと創造的ワークショップ
まず始めに、アイスブレイクを行いました。
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二人一組となり、片方が自分が今後やりたいと思っていることを言い、それに対しもう片方は「それはうまくいかないですね。なぜならば・・・」といいます。これを1分間行いました。
次に、片方が自分のやりたいと思っていることを言い、それに対しもう片方は「それは素晴らしいですね。なぜならば・・・」といいます。これを1分間行いました。

次に、荒井氏より富士ゼロックス株式会社 Knowledge Dynamics Initiative(KDI)の業務紹介がありました。
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本当はいい考え方や、発想があるのにそれが実際の成果につながらない、つまりサイロメンタリティの状態になっているのを解く事を私達は仕事にしています。

次に「対話」についての説明がありました。
最近では「対話」に関する著書が多く、対話力の大切さに注目が集まってきています。
知識社会の到来で企業経営が難しくなってきており、企業内で皆が納得できる答えを出すことが難しくなってきていることがその背景としてあります。

次に、よい「対話」の場のつくり方について説明がありました。
■二極化、単一化を生んではいけない。
■全員が公平に参加できる場の雰囲気が重要である。
対話に関する本として、「手ごわい問題は、対話で解決する」の紹介がありました。

次に、フューチャーセンターについての説明がありました。
フューチャーセンターとは、企業の問題や社会的問題などを解決するための「対話」する創造的な協業の場のことをいいます。
フューチャーセンターはヨーロッパから始まり、現在40箇所ほどあります。

フューャーセンターの構成要素は、よい体験をするための空間、ファシリテーター、場の方法論、場のホスピタリティです。
日本では六本木に開設しています。企業や大学、省庁等が使用し、どういったことが未来の価値を作るかなどを対話しています。このシステムは2009年どのGマークを受賞しました。

次に、「対話」を体験しました。
まず始めに、二人一組になり、インタビュアーと回答者に分かれます。
インタビュアーは回答者の仕事内容と、現在抱えている課題について、また、その課題に対して取り組んでいることをインタビューし、付箋に書き込みます。
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これを5分間交互に行い、次に人をかえてもう1セット行いました。
次に、インタビューした内容をインタビュアーが皆の前で発表し、記入した付箋を石間氏がホワイトボードに貼り付けて、課題と課題解決策の系統わけを行いマッピングしました。
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インタビューアーと回答者という形式で「対話」を体験する中で、フューチャーセンターでの取り組みの流れの一部を理解しました。

次に、筧氏より「創造的な場のプロセスデザイン」について話がありました。
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フューチャーセンターとは構造的な対話の場であり、開かれた知識創造の場です。
課題は認識しているが、そこから前に進まない場合等に「対話」の場が有効になります。
対話の場を作る上での5つのポイントは下記の通りです。

1,テーマ選び:視野を広げる
・従来の常識から離れる
・真の課題を明らかにする
テーマ例
当初のテーマ「電気自動車のこれから」→見直されたテーマ「未来のモビリティ」

2,人集め:多様性を確保する
・ステークホルダーに注目する(専門家だけでなく、ユーザーなどに焦点を当てる)
・専門性(知の領域)の違う人を選ぶ
・様々な世代の人を選ぶ(例:20,30,40代)
・横断的に人を選ぶ(企業、部門、チームを横断する)

3,もてなし:非日常体験を演出する

4,対話:主体性を引き出す
・参加者のだれもが解決への志を持つ
・結論よりもプロセスを大事にする
・説得よりも納得を大事にする

5,実行:まずやってみる
・ 実践主義をとる
・ 実行への期待を高める
・ 巧遅は拙速に

この5つのポイントをはずさず行うことで、創造的な場になると我々は確信しています。

最後に質疑応答がありました。
■フューチャーセンターは借りることができますか?
空間を貸すことはしていませんが、そこをつかって我々がファシリテーターとなってセッションをすることはできます。
■もてなしは必ず必要なのですか?
対話に気持ちよく参加してもらえることが重要です。また、参加者それぞれが発言できているかにとても気をつかってファシリテイトしています。これも、もてなしの1つです。



<1.5>事務局酒井より、サステナブルデザイン国際会議の紹介がありました。
詳細はHP


<2>設計手法のデザイン応用(2)
まずはじめに、笠井氏の自己紹介がありました。
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次に「TRIZ」とは?についての説明がありました。
TRIZはロシアでアルトシュラーによって生みだされた発明的問題解決の理論で、特許250万件の分析から、発明のための原理を統計的に体系だてたものです。
自社の技術や知識では解決できないもの、つまり発明的問題を解決するための技法です。

次に、TRIZでなにができるかについて説明がありました。
発明、特許が生まれたときの思考及び決定過程を借用し、創造性のプロセスを支援するやり方を提供するため、最適なアイデアを豊富に生み出すことが出来ます。

既存の代表的発想法(チェックリスト法、ブレーンストーミング法、KJ法、NM法)との違いは下記の通りです。
・ アイデア出しのポイント(出発点)がしっかり定まる
・ アイデア出しの絶対数が多い
・ アイデアを出しっぱなしにしない

次に、TRIZの構造と主要技法について説明がありました。
TRIZの構造として、思考テクニック、知識データベース、思考プロセスがあります。
思考テクニック内の40の発明原理とは、多くの特許から、優れた特許は背反特性を妥協せずに解決し、工学的矛盾を解決していることを発見し、その集約である40種類のコンセプトから解決するというものです。

40の発明原理を使用し、「携帯電話の改善」をテーマに演習問題を行いました。
1)携帯性を向上するために本体を小さくしたいが、ボタンが押しにくくなってしまう。
2)沢山のストラップをつけられるように穴を大きくしたいが、穴は目立たせたくない。
ダイナミック原理や、組み合わせ原理などの指定された発明原理を使用し、解決アイデアを創作し、発表を行いました。

次に、思考テクニックの工学的矛盾解決マトリックスについて説明がありました。
エンジニアリングシステムの任意の特徴やパラメータに改良を加えた結果、そのエンジニアリングシステムの他の特徴やパラメータに問題が発生する状況を工学的矛盾といいます。
解決したい問題があり、その工学的矛盾を定義します。それに対して最大4つの発明原理を活用して解決します。その速見表が工学的矛盾解決マトリックスです。

次に、76の発明標準解について説明がありました。
「発明的問題解決」を行う際に検討すべき「標準的」な解決方法です。全部で76通りあり、以下の5つのクラスに分類されます。
1)物質-場モデルの合成と分解
2)物質-場モデルの進化(強化)
3)上位システム、ミクロレベルへの移行
4)検出や測定の標準解
5)ヘルパー

次に、思考テクニックの技術システム進化の法則について説明がありました。
技術システムが進化するパターンとして、システムはS字を描きながら発展します。
技術システム進化には法則がり、8つの法則性にあてはめることができます。
1)理想性増加の法則
2)システムの完全性の法則
3)エネルギー伝導の法則
4)システム諸部のリズム調和の法則
5)不規則に発展するパーツの法則
6)上位システム移行の法則
7)マクロからミクロへの移行の法則
8)物質-場の完成度増加の法則

また、システム進化パターンには19の種類があり、それを見ることで、進化の法則を予測することが出来ます。
笠井氏が、その19の法則を使ってデザインに応用するために書き出した、表の説明がありました。
19のパターンを美観改善、人間工学性改善、サイズダウンの3つにわけ、優先順位をつけたものです。

次に、科学的工学的効果について説明がありました。
難問題を解くために、TRIZの巨大な知識ベースから実現したい機能を探し出し、自分の問題解決につなげられないかを考えるというものです。
それを支援するソフトについて紹介がありました。

最後に、設計手法のデザインへの応用について説明がありました。
お客様の声を製品機能に展開して開発目標設定を行うQFDで、技術課題を解決するコンセプト生成するTRIZで、バラツキを抑えた最適設計で高品質確保するTAGUCHI METHODで。
これによって品質の高い強固な開発ができるでしょう。


以上








Design Tools 第三フェーズ 第三回目

1.日時  平成22年1月27日(水)14:30〜21:00
2.場所  東京ミッドタウン5F インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
3.参加者 8名(38名)
4.プログラム
<1> 14:30〜17:50 「デザインの新しい課題」:
ユニバーサルデザイン総合研究所 代表取締役所長 赤池学氏
<2> 18:00〜18:50 ゲストスピーチ「デザインの現場から」:
株式会社イマージュ 代表取締役社長 田山修一氏
<3>19:00〜20:30「新しいデザインアプローチ」(公開講座)
リーディング・エッジ・デザイン代表 山中俊治氏
<4>交流会

5.内容
<1>デザインの新しい課題
まず始めに赤池氏の自己紹介がありました。
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次に、ユニバーサルデザイン総合研究所が作成した「ユニバーサルデザインを定義する10要件」の説明がありました。(5以下は詳しく説明がありました。)
1)セーフティ(安全性)
2)アクセシビリティ(接しやすさ)
3)ユーザビリティ(使いやすさ)
4)ホスピタリティ(慰安性)
5)アフォーダビリティ(価格妥当性):コストの面でも接しやすくする。
6)サステナビリティ(持続可能性):環境対応、エコデザイン、サステナブルデザイン。
7)エキスパンダビリティ(拡張性):商品のバリューが拡張していくデザイン。
8)パーティシペーション(参画性):ユーザーを商品開発の初期の段階から参画させる。高齢者や医療関係者等、小売業者も含む。
9)エステティック(審美性):できた商品には美しさがなければならない。
10)ジャパンバリュー(日本的価値):日本人が譲りわたすべきでない価値を意識したデザインする。

次に、21世紀のデザイン品質についての説明がありました。
今までの日本は高機能や高品質・低価格の3つの価値軸でものづくりをしてきました。しかし、その価値軸はサムスンのような韓国や中国等のメーカーに抜かれつつあるのが現状です。そこで、新たな価値軸となるのが「五感と愛着に基づく品質(sense ware)」です。五感や心に響くものを機能と一緒にデザインすることです。
さらに、「公益としての品質(social ware)」地域のため、地球のためという品質が重要です。

つまりこれからのものづくりは、機能を生み出すhard wareと使い勝手を生み出すsoft ware、愛情や愛着・愛嬌を生み出すsense wareと新しい価値やビジネスモデルを生み出すsocial wareという4つの品質を循環させながら螺旋的構造の上に行う必要があります。

次に、21世紀のデザイン品質を事例をもとに説明がありました。
株式会社コラボのWILLシリーズ、ライトシリーズ:握力の弱くなってしまったお年寄りなどにつかいやすいプロダクト
山形伝統工芸:伝統工芸を活性化させるとりくみ
■Haptic Paper :日本の先端技術を応用したデザイン
黒いまな板(京セラ):視覚障害者にも素材の視認がしやすいまな板
ダイヤログ・イン・ザ・ダーク・タオル:健常者にはない繊細な感性から生まれたタオル 、感性価値がバリューになった事例
イルカ人工尾びれプロジェクト (ブリヂストン)

次に、ユニバーサルデザイン総合研究所が経済産業省と共に行っている、キッズデザイン協議会についての説明がありました。
調査研究活動として、安心・安全知識の循環型社会をつくる調査研究事業を行っています。具体的には、病院に運び込まれてくる子供の重篤事故の発生状況をヒアリングし、その対応をデータベース化しています。
また、子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン、子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン、子どもたちを産み育てやすいデザインを基本理念として、ベストプラクティスを敬称するキッズデザイン賞を主催しています。

次に、キッズデザイン賞の事例紹介がありました。
キンダーマーカーたふっこ
■乾燥剤
■ビニールプール
ニコン ネイチャースコープ
オリンパス ミュー
ドクターベッタ哺乳びん
入院患児のためのプレパレーション用絵本


次に、サステナブルデザインについて説明がありました。
気候変動によって起こる結果を説明し、現在起きているリスクの説明がありました。
森林面積の急激な減少やサンゴ礁が大規模に死滅等。

それらに対するソリューションとしての事例紹介がありました。
■新丸ビルの再生エネルギー使用:全てのエネルギーを風力、太陽光、バイオマス(生物資源)などの再生可能エネルギーにより発電された電力に切り替え。
■完全密閉型植物工場システム
■東京ガス エネファーム(パナソニック株式会社製 )
■家庭用高濃度人工炭酸泉製造装置《ソーダバス》
■アワフキムシのシェルターと無水風呂(INAX):超節水のお風呂
■Actyes<アクティエス> (サンウェーブ):カスタマイズを意識したユニバーサルキッチン
■自動車:トヨタ iQ、インド タタ・モーターズ ナノ、シムドライブ(慶応大学発ベンチャー企業) エリーカ
■クィーンズメドウ・カントリーハウス(QMCH)の馬付住宅(馬100頭)プロジェクト


次に質疑応答がありました。
■ユニバーサルデザイン総合研究所は沢山の業務を抱えていますが、どのように仕事を回しているのでしょうか?
正社員は14人しかいません。200人程の客員研究員のネットワークをもっています。プロジェクトによって、そのなかからドリームチームを組織して進めており、ファシリテーターとして研究所が入っています。
■CO2削減、低炭素というキーワードが現在の主流ですが、これからはどのようなことが主流になるのでしょうか?
水のカーボンフットプリントが重要になります。
低炭素でも、他社が深堀してこなかった新しいバリューをデザインすることが重要です。

最後に、エコデザイン研究所が作成した「エコイノベーションで実現するサステナブルなライフスタイル絵巻」について紹介がありました。
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<2>ゲストスピーチ「デザインの現場から」
まず始めに、田山氏の自己紹介がありました。
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次に、株式会社イマージュの業務紹介がありました。
1991年から始まり、会社のロゴ、CMやゲームムービー、映画のCG、アミューズメント(パチンコ)ムービー、webのコンテンツなどの作成を行っています。

次に、CMやゲームムービー、VFX、アミューズメントの映像を観覧しました。
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<3>「新しいデザインアプローチ」
まず始めに山中氏の自己紹介がありました。
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東大の機械工学科に在籍しながら、スポーツ漫画を描いていました。
機械工学と漫画のワクワク感を両立できるのがプロダクトデザインでした。
日産自動車に就職し、その後独立しました。

次に、山中氏のデザインしたプロダクトについて紹介がありました。
■ISSEY MIYAKE OVO
■OXO Kitchen Tools
■ロボットプロジェクト
■Tagtype

物の形(シルエット)を描くのは最後にしています。コンポーネントレイアウトから先に考え始め、そこから美しい配置(合理的)を考えます。これはマンガでも一緒です。シルエットだけだとうまく描けず、骨格をとらえていくとうまく描くことができます。
構造認識が形を生むという感触です。

その事例がコクヨオフィスチェアー「Avein(アヴェイン)」です。
イスを使用する際の様々な姿勢にあわせられる、つまりダイナミックなフィットを埋め込む方法はないかと考えました。そこで出たアイデアがエアブローという考え方です。沢山のクッションが細胞のようによりあつまりそれが有機的につながっている流れを持ったイスです。

次にロボットプロジェクトについて事例を基に詳しい説明がありました。
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働かないロボットを研究する理由として、ロボットの魅力は本当に役に立つところにあるのだろうかと考えたからです。ASIMOやAIBOが喜ばれる理由は、生きているものを作ってしまった感があるからです。
ロボティクスのアプローチとしては、パイオメティクスというような、生物のしくみを丁寧に研究して、それと同じことをマシンにおきかえて、生物のシミュレーターをつくります。これが正攻法なロボティクスです。
しかし、人が生き物っぽいと思えることは、それとは直接関係ないかもしれません。生き物のしくみをシミュレートしなくても、反応やアピアランスだけで生きているっぽさをだせるのではないかと考えました。それを鮮鋭化したマシンをつくっています。
■サイクロプス
■Ephyra
■Flagella

次に「デザインの骨格」展について説明がありました。
プロダクトデザイナーは外観を意識するばかりに、構造体を隠してしまいがちです。ハイテクになればなるほど構造体を隠してシンプルにみせたほうが親切だと思っています。
本当にそうなのでしょうか。構造体がみえる喜びを考えてみたいと思いました。
シンプルであることと、装飾的であることは形を隠そうという点においてはおなじことではないでしょうか。それによって親切だとか親切でないといえるのでしょうか。
シンプルでわかりやすいデザインは構造体を隠した結果、外観がシンプルに見えているだけではないでしょうか。構造体そのものをデザインすることを常に意識しています。
■弓曵き小早舟
■on the fly

次に、デザインエンジニアリングを考えるときに大切にしている心がけについて紹介がありました。
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■人間を中心において、人と人工物のあいだにおこるあらゆることを設計するつもりで行います。
エンジンは設計しません。しかし人間が接する部分はどこであろうと恐れず設計をしようと思います。

■機能優先か、デザイン優先か。ここで使われるデザインは見栄えのことです。つまり、見栄え優先か、機能優先かという議論は、デザイン作業のなかで決定されるべきことです。
デザインと機能、どっちを優先するかという議論自体がおかしいです。形をつくることだけがデザイナーの仕事だとすること自体がおかしいです。

■科学は得た知識を皆で共有できてこそ意義があります。だれがやっても同じ結果が得られた場合に科学と認められます。
芸術は、共感を得るために進めますが、その共感は必ずしも客観ではありません。むしろ主幹どうしの認め合いです。人々が共感してもしなくてもそれは芸術となります。
科学は事実にそった記述で真実を導き出しますが、芸術は主幹の中から真実を生み出します。
方法論は違いますが、目指している部分は同じであると考えます。
科学は客観的な方向で真実を探りますが、芸術は主幹という方法で自分達の直感を信じながら真実を探しています。接点が得られたときに正しいものが生み出されます。

それぞれの方法論を駆使しながら接点を探す。これがデザインの完成形を目指すときのヴィジョンではないかと考えます。
しかし、現段階で主観的に真実だと感じる美を、科学が客観的に成立させる方法は見つかってはいません。なので、美意識が先導的であることを認めようと思っています。
美しいという感覚は大事にしようと思っています。
その美意識を核にしてヴィジョンを組み立て、そこに実験と検証で生活に根付いていくようなスタイルを与えていくことが、デザインエンジニアリングの方法論であると理解しています。

最後に質疑応答がありました。
■プロダクトデザイナーとして、工学的・数学的な部分を強化しなければいけないことは理解していますが、今の段階からそのエキスパートになるのはなかなか難しいです。それは、エンジニアの側に立っても同様であると考えますが、どうすればよいのでしょうか。
重要なのは、両方を持っていることです。たとえ、それぞれのエキスパートがコラボレーションをしたとしても、限界があります。そこで、重要なエッセンスをつかむことが大切です。バッテリーでいえば、バッテリーの仕組みを理解する必要はありません。バッテリーは液体として扱うことができることを知っていることで、デザインを前に進ませることができます。そういうようなエンジニアリングの直感的理解があると、エンジニアと話ができるようになります。

■エンジニア側はどうすればよいのでしょうか?
デザイナー達が共通する感覚というのは歴然とあります。そこに踏み込まないと理解することはできません。いいよねと思えるものかっこ悪いと思えるものに沢山触れ、自分の感覚を研ぎ澄ませて行くことしか方法はありません。言葉にたよらない感覚を深める必要があります。
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<4>交流会
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Design tools ゲスト聴講のこと

Design tools受講生のみなさん、次の水曜日のオープン講座へのゲスト聴講の希望がありましたら、25日AMに連絡お願いします。

Design Tools 第三フェーズ 第二回目

1.日時  平成22年1月20日(水)14:30〜21:00
2.場所  東京ミッドタウン5F インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
3.参加者 8名
4.プログラム
<1> 14:30〜17:40 「設計手法のデザイン応用(1)」:
公立大学法人首都大学東京 産業技術大学院大学 准教授 越水重臣氏
<2> 17:50〜21:00 「簡易プロトタイピングによるデザインシミュレーション(2)」:
学校法人岩崎学園 横浜デジタルアーツ専門学校 教務部長 情報デザイン研究室 浅野智氏

<1>設計手法のデザイン応用(1)
まず始めに、越水氏の自己紹介がありました。
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次に、製品の開発設計を支援する手法の紹介がありました。
開発設計プロセスの流れとして、市場(ボイス オブ カスタマー)→製品企画→概念設計→詳細設計→生産設計となりますが、製品企画において使われる主な手法にQFD(品質機能展開)があります。これはユーザーの声を製品仕様に落とし込むための手法です。概念設計において、技術コンセプトをシステマチックに決めるための主な手法としてはTRIZ(発明的問題解決理論)があり、詳細設計の際に、品質を作りこむようにパラメーターを決めることができる手法が品質工学(タグチメソッド)です。
これらの手法はエンジニアの世界では3大メソッドと呼ばれています。これらをデザイナーが知ることで役にたつと考えられます。

次に3大メソッドの概要の説明がありました。
QFD(品質機能展開)はユーザーの要求を満足させるため、製品の工学的特製の使用を定めることが目的です。

コードレスドリルにおけるQFDの実施例をもとに、方法の説明がありました。
「品質の家マトリックス」に調査したユーザーの求める属性を入れ込み、次に製品のスペックを入れ込んで2次元マトリックスチャートを作成します。それをみて、ユーザーが求める特性とエンジニアが求める特製のどこが適応するかをチェックし、目標とするスペックを見出します。次に、競合他社のスペックをチェックし、照らし合わせることで、工学的特製を判断します。

TRIZはロシアで生まれた発明理論で、心理的惰性を払拭しながら、正解(技術的問題の解決アイデア)へ導いてくれる発想法です。(TRIZは4回目の笠井氏講義にて詳しく行う)

品質工学(タグチメソッド)はロバストデザインとも呼ばれます。(ロバストとは、STRONGやHEALTHYの意味。)品質管理とは違い、開発・設計などの上流工程において品質を作りこむ活動で、市場での品質トラブルを未然に防止することができ、また、開発期間を短縮することが出来ます。

次に、國澤氏より、QFDをデザインの手法に当てた場合の紹介がありました。
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デザイナーはイメージボードを作成しますが、それには2種類あり、ユーザーの求める感性品質にフォーカスし可視化したボードと、そのユーザーの要求を実現するためにデザインをどう実現したらよいかを表す、つまりデザインの目標値を可視化したボードとがあります。
2種類のボードを利用してデザインを導き出すこの方法は、QFDの、品質を定義して目標値を設定する流れとつながります。

次に、越水氏より、品質工学(タグチメソッド)についての詳しい紹介がありました。
まず初めに品質についての説明がありました。
品質とは「ばらつき」の問題です。品質がよければ市場でクレームは発生しません。
なぜ「ばらつき」は発生するのでしょうか。システムに対し、入力と出力がありますが、システムを行う際にノイズが入り込み、それによって出力が変わってしまう。それがばらつきにつながるのです。
ノイズとは、外乱(環境変動や客先の使用条件)・内乱(部品・材料の劣化)・個体差(製品間のばらつき)の3つにわけることができます。

次に、INAXでのタイル製造工程における品質工学導入事例の紹介がありました。
各参加者はタイル寸法のばらつき改善のための対策案をブレインストーミングし、実際の品質工学導入事例をみることで、品質工学を理解しました。

問題解決の方法は4つあります。
■ノイズの管理:ばらつきの原因究明して管理、抑制する。
■フィードバック制御:出力を目標値に補正する。
■システム変更:新たにノイズ衝撃機構を付加するなど。
■パラメータ設計(ロバストデザイン):パラメータの組み合わせの最適化を図る。
INAXではパラメータ設計を採用し、タイルの内容物の配合率を変えてタイル寸法のばらつきが出ないようにしました。
ノイズ因子に直接手を加えることなく、パラメータを調整することで解決するのが品質工学(タグチメソッド)です。現状のシステムのみで、品質をあげるため、コストを下げることができます。

次に、パラメータ設計をデザイン案の創出に応用した事例の紹介がありました。
■形態チャート法による発想
可能な範囲をすべて網羅するデザイン案を創出し、それによって新しい解決案探査の可能性を広げるのが目的です。
手順としては、製品になくてはならない構成要素や機能をリストアップし、その実現方法を検討します。それらを組み合わせたデザイン案を作成し、評価基準を設け、解決案の探索領域を決めます。
形態チャート法を利用したフォークリフトとグランドキーパー車両の事例の紹介がありました。

次に、品質工学で用いる実験方法「直交表」について紹介がありました。
調べたい因子の数が増えていくと、実験規模が大きくなるため、時間的にもコスト的にも短縮することができる直交表を使用します。
調べたい因子の数に対する直交表を用意し、指示通りに実験すると、沢山の因子のパラメーターの効果が推定できるというものです。

最後に、腕時計のデザインを例に3次元CADと直交表を組み合わせて行った事例の紹介がありました。
3次元CADデータで作成した腕時計のデザインを、WEBアンケートにてユーザーに評価してもらい、品質工学パラメータ設計法を用いてユーザーにどのようなデザインが好まれるかを解析するという内容です。



<2>簡易プロトタイピングによるデザインシミュレーション(2)

先週からの引き続きで「旅を記録するモノ」をテーマに2チームが作業を進めました。

まず始めに、シャッフルディスカッションを行いました。
シャッフルディスカッションとは、デザインの上流工程において、他のチームメンバーに調査の結果や制作意図をプレゼンテーションすることで、更にコンセプトの精緻化を図る手法です。

[実際の流れ]
まず始めに5分間で現在のグループ内提案の把握を行いました。
次に、5分間で他グループの一人と自グループの一人を交換し、他グループの一人に自グループの提案を説明しました。
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次に、4分間で質疑応答を行いました。
これを1セットとして2セット行いました。
シャッフルディスカッションを行うことで、他者の考えをしることができ、また、暫定コンセプトを説明することで新たな気付きを得ることが出来ます。

次に、ペーパープロトタイプを作成し、アクティングアウトの練習を行いました。
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最後にアクティングアウトプレゼンテーションと講評を行いました。
各チームがペーパープロトタイプを用い、その使用状況を寸劇でプレゼンテーションを行いました。
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Aチームのアクティングアウトの様子

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Bチームのアクティングアウトの様子

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浅野氏講評の様子




Design Tools 第三フェーズ 第一回目

1.日時 平成22年1月13日(水)14:30〜21:00
2.場所 東京ミッドタウン5F インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
3.参加者 8名
4.プログラム
<1> 14:30〜15:00 「オリエンテーション」:
公立大学法人首都大学東京 産業技術大学院大学 教授 國澤好衛氏
<2> 15:10〜18:40 「アイデア発想法と発想ワークショップ」:
U'eyes Design Inc. ユーザエクスペリエンス研究所 三澤直加氏
<3> 19:00〜21:00 「簡易プロトタイピングによるデザインシミュレーション」:
学校法人岩崎学園 横浜デジタルアーツ専門学校 教務部長 情報デザイン研究室 浅野智氏

5.内容
<1>オリエンテーション
國澤氏より第三フェーズの説明がありました。
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<2>アイデア発想法と発想ワークショップ
まず始めに、三澤氏の自己紹介がありました。
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次に、アイデア発想法についての説明として、世の中の発想法、代表的な発想法についての説明がありました。
発想法には、発想するためのプロセス方法論や具体的な発想技法等300種類以上あります。
発想法は大きく分けると発散技法、収束技法、統合技法、態度技法の4つに分けることができます。発想法の中心となるのが発散技法と収束技法です。
発散技法(発法)とはアイデアをどんどん出すもので、代表的なものは自由連想法(制限のない方法)、強制連想法(強引に結びつける方法)、類比発送法(似た者を探す方法)です。
代表的な発散技法はブレインライティングチェックリスト法です。

収束技法(収法)とはアイデアをまとめたり評価するもので、代表的なものは空間型法(似た分野に合わせて集める)、系列型法(流れでまとめる方法)です。
代表的な収束技法はkj法です。

次に、発想法をつかいこなすポイントの説明がありました。
日本で普及しているのはブレインストーミング+kj法。IDEO社が掲げているブレインストーミングのルールとして下記があります。
■Defer judgment/判断はあとまわし
■Encourage wild ideas/思い切ったアイデアも恐れるな
■Build on the ideas of Others/他人のアイデアに乗っかろう
■Stay Focused on Topic/テーマを追い続けよう
■One Coversation at a Time/話題は一度に1つ
■Be Visual/とにかく視覚化しよう
■Go for Quantity/数を出せ

次に発想法の演習として、株式会社U’eyes Designと株式会社デンソーで共同開発した「XB(クロスビー)」を行いました。
「XB(クロスビー)」とは、「感動の要素」が凝縮されたキーワードを使い、言葉を掛け合わせることにより、新しい「体験」を発想する方法です。現在しない新しいモノ、新しいサービスを考えるために有効であり、商品企画でのコンセプト立案でより使えるものです。
方法はhttp://www.ueyesdesign.co.jp/service/service_xb.htmlを参照。

参加者は「旅を記録するモノ」をテーマにXBを体験しました。
まず初めに個人作業として下記を行いました。
1)価値観、対象、体験のキーワードセットを用意された3種類の中から選びました。
2)選んだキーワードセットの価値観、対象、体験を具体的な言い回しに変える作業を行いました。
3)言葉を掛け合わせ、文章化する作業を行いました。
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次にグループ作業として下記を行いました。
1)掛け合わせた文章から、具体的なモノに落とし込むためのブレインストーミングを行いました。
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2)出されたアイデアから、よいと思われるものに投票を行い、選ばれたアイデアに対し、シナリオ(アイデアを物語風に記述)、ペルソナ(ターゲットユーザー像を記述)、スケッチ(アイデアのイメージをスケッチ)にて形におこし、結果発表を行いました。
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Aチーム結果

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Bチーム結果



<3>簡易プロトタイピングによるデザインシミュレーション
まず初めに、浅野氏の自己紹介がありました。
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次に、プロトタイピングについての説明がありました。
プロトタイピングとは、デザイナーがデザインの実施を行う前に、コンセプトをできるだけ実物に近い形でシミュレーションするためのものです。

次に、ペーパープロトタイプについて説明がありました。
初期モックアップはできるだけラフにダーティに作る方がよいです。最初から奇麗に作りすぎるとだまされてしまう場合があるからです。

次に、ペーパープロトタイプのテスト方法について説明がありました。
発話思考法:被験者が頭に浮かんだ事柄を、自らがアナウンスしながら行うテスト方法。
アクティングアウト:現場にプロトタイピングを持ち込み、業務プロセスに則って使う寸劇を周囲の開発メンバーの気付きを促す方法。

次に、アクティングアウトについて説明がありました。
モノを考察する際には絵を描いて行いますが、コトを考察するには絵を描いて行うことができないため、アクティングアウトを使用します。
アクティングアウトの種類としては下記のとおりです。
人工物の振る舞い:人間がコンピューターの様々なハードやソフトを演じることにより、新しい仕組みのアイデアを得る。
ユーザ再現:開発中の機器やサービスを使用したときのユーザの振る舞いを演じてみて、そこに予見される問題や環境との係わり合いを探るのが目的。
シミュレーション:ある程度できたプロトタイプを使用して、ユーザの使用シーンを演じてみる。
プレゼンテーション:製品ができた時点でシーンを演じてみせる。

次に課題として、第一講義の「旅を記録するモノ」のアイデアを使用し、そのダーティプロトタイプおよび絵コンテ作成を行いました。

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絵コンテ作成中

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ダーティプロトタイプ作成中

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Aチーム途中経過

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Bチーム途中経過


次週は、プロトタイプの作成と、アクティングアウトの練習を行います。